2013年2月6日水曜日

のぞきからくり 伊達娘恋緋鹿子 八百屋お七

伊達娘恋緋鹿子 八百屋お七

そのころ本郷二丁目に 名高(なだか)き八百屋の久兵衛は 普請成就する間 親子三人もろともに
檀那寺(だんなでら)なる駒込の 吉祥院(きちじょういん)に仮住まい

寺の小姓の吉三さん 学問なされし後ろからー
ひざでちょっくらついてー 目で知らせーーーーー
わたしゃ本郷へ行くわいなー たとえ本郷と駒込とー
道のりいかほどへだつともー  本堂の横でしたことは 
死んでもーー忘れてーーくださるなーーー

かわいい吉三(さん)にあわりょかと 娘心の一筋に
一把(わ)のわらに火をつけてぽいと投げたが火事となる 誰知るーまいと思えども 恋のかなわぬ腹立ちで
釜屋の武兵衛(ぶへい)に訴人され まもなくお七は召し取られ 上野の白州(しらす)に引き出され 一段高いお奉行さん そちらは十四(じゅうし)であろうがなわたしゃ十五でひのえうま(丙午) 十四といえばたすかるにー 十五というた一言でー 百日百夜は牢住まい

はだかの馬に乗せられて 伝馬町から引き出され 先には制札(せいさつ)紙のぼり 罪の次第を書き記しー-

お七を見にでし見物はあー  あれが八百屋の色娘えー
吉三ほれるはむりはない

田町、八つ山右に見て  品川表をこえるならあーー
ここが天下の仕置きばでー 鈴が森にとー着きにけるう

二町四面が竹矢来(たけやらい) 中にたてたる鉄はしら 花のお七をしばりあげ 千ば万ばの柴茅(しばかや)を 山のごとくに積み上げて 下より一度に火をつける あついわいな 吉三さんー わっとないたる一声(ひとこえ)が 無情の煙と立ちのぼればーー
哀れやこの世の見おさめーー 見おさめーーー

ありがとうございました おあとと交替 おあとと交替 

(伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段)

 
 「八百屋お七」 屋台と中ネタ  (新潟市巻郷土資料館所有)
       
   
   「八百屋お七」の中ネタ(7枚)の一部を紹介する。

 2枚目:お七と吉三郎との初めての出会い(吉祥寺の奥座敷)
   
      
3枚目:八百屋の店開き
   
      
4枚目:本郷に帰ったお七は吉三郎に会いたい一心で放火
   
    
 5枚目:お裁き(15歳以下であれば減刑になるが、お七は16歳だと言い張る)
   
      
6枚目:江戸市中引き回し
   
 

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