金色夜叉(貫一お宮の物語) |
鴫澤娘、宮さんと大学生の貫一と親の許せし許婚
ともに遊びし富山が宮さん見初めて恋をする 欲か迷いか両親の、勧めに従い宮さんは 富山名のる唯継と夫婦約束なさんため 今日しも母につれられて、熱海の浜や梅林で 出会うと知らない貫一に 熱海の海岸散歩する貫一お宮の二人連れ ともに歩むも今日限り、ともに語るも今日限り 夫に不足ができたのか、さもなきゃお金に迷いしか 恋に破れし貫一はすがる宮さんけとばして いづくともなく去っていく 宮の心の変わりしを恨みに思う貫一は ああ、学問も何もやめ、悪魔となりて金色の 夜叉となりしもあわれなり、それに引き換え宮さんは 富山家にとかしずきて はやひととせは夢と過ぎ、今宵は一月十七夜 来たらぬ年の今日今宵、僕の涙でこの月を きっと曇らせみせるぞと、恨みのためか今日今宵 空が曇りて雪となる、遂に宮さんの気が狂う |
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