2013年7月18日木曜日

のぞきからくり 不如帰(ホトトギス) 実演

昭和の初期まで縁日などで親しまれた大道芸「のぞきからくり」、のぞき穴をのぞくと押絵と凸レンズが作り出す立体的な世界が広がっている。「のぞきからくり」は、映画やテレビの普及によって完全に消えてしまい現在は博物館でしか見ることができない。

のぞきからくり「不如帰」(ホトトギス)実演:昭和ロマンを楽しむ会
「不如帰」は徳冨蘆花(とくとみろか)の不朽の名作で1898年(明治31)から1899年まで「国民新聞」に連載された。明治時代のベストセラー小説。

「人間はなぜ死ぬのでしょう 死んでも私はあなたの妻ですわ、未来の後までも」
「八千八声 ないて血を吐くほととぎす」

落語の「天王寺詣り」に天王寺の境内でやっているぞのきからくり「不如帰」の口上が入っている。同じ不如帰でも各地によってさまざまな文句とからくり節があった。

あらすじ:片岡陸軍中将の娘浪子(なみこ)は、海軍少尉川島武男(たけお)と結婚したが、結核にかかり、家系の断絶を恐れる姑によって武男の留守中に離縁される。二人の愛情はとだえなかったが、救われるすべのないまま、浪子は、もう女になんぞ生まれはしないと嘆いて死ぬ。

映画「長屋紳士録」(1947)で笠智衆が歌った「不如帰」(ほととぎす)の口上(からくり節)

三府の一の東京で(ああどっこい)/波に漂うますらおが/はかなき恋ににさまよいし/父は陸軍中将で/片岡子爵の長女にて(ああどっこい/桜の花の開きかけ/人もうらやむ器量よし/その名も片岡浪子嬢/(ああちょいと)海軍中尉男爵の/川島武男の妻となる/新婚旅行をいたされて/伊香保の山にワラビ狩り(ああどっこい)/遊びつかれてもろともに/我が家をさして帰らるる/(ああちょいと)武男は軍籍あるゆえに/やがて征くべき時は来ぬ/逗子をさしてぞ急がるる/浜辺の波のおだやかで(ああどっこい)/武男がボートに移るとき/浪子は白いハンカチを(ああどっこい)/打ち振りながら/「ねえ、あなた早く帰って頂戴」と/仰げば松にかかりたる/片割れ月の影さびし/実にまあ哀れな不如帰」 

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